パッケージの役割は、デザイン性を売ることではない。
贈り主が、贈る相手にどれだけ大事なメッセージを伝えられるか
そっと陰ながら、手伝うことが本来の役割。
人と人が、コミュニケーションをとること。
ある人は、感謝を伝える。
ある人は、愛情を交換する。
ある人は、相手の幸せを願う。
その時、最も大切なことは、
言葉を伝えることだ。
そして、その言葉を伝えるために、
贈り物というステキな方法がある。
「いつもありがとう」
「大切に想っています」
「元気で、笑顔でね」
それぞれの物語と想いが
贈り物には込められている。
2月の展示では、
それぞれの想いを、
贈り物という物語の形を作るお手伝いをする。
様々な言葉のカードを選んでもらい、
伝えたいメッセージをそれぞれのパッケージに
つけていく。
素材は、半紙。
和紙を薄く丈夫に仕立てたこの紙は、
ずっと以前から、日本では、
大切な行事や手紙を書くとき
使われてきた、いわば、言葉を伝えるための
なくてはならないツールだった。
その古からの素材を
袋に仕立て、
手で編まれた毛糸のコモノをそっと入れて、
それぞれの言葉のカードと共に、
包む。
それぞれの想いをのせて。
それから、
布製「brown bag」もデザイン。
こちらは、少し大きめの贈り物を包む。
brown bagとは、もともと、
アメリカでリンゴやサンドイッチなどを入れて持ち歩く
ランチボックスのようなもので、
分厚いざらっとした紙袋をくしゃっとさせて
子供たちが持ち歩いていたりする。
やわらかな帆布を使って、
ランチボックスにも、モノ入れにもなるbagに仕立てた。
展示は、
2012.02.03 - 02.14
鎌倉、アトリエキカにて。
お菓子作家たなかれいこさんのフランス菓子と
「manuoku+クロセミキコ~布と毛糸の贈り物」。
毛糸のコモノは、
アートディレクター・グラフィックデザイナーでもあるクロセミキコさんが
1点1点心をこめて作ってくれている。
毛糸を手に入れるために、スコットランドまで飛んで行ってしまうような
そんなステキな人だ。
今回私は、「布と毛糸の贈り物」の
パッケージのデザイン、アートディレクションを担当。
メンズのハンドメイドシャツも
セミオーダーという形で行う。
他、ハンプBagなど、
今、新たに進めている
企画ブランド「moani」のモノも
数点出展予定。
パッケージが、どれだけ人のお役に立てるか、
久々に、腹にきゅっと力を入れて
コンセプトとデザインを考えることに勤しむ日々。。。