2011年12月27日火曜日

パッケージ



パッケージの役割は、デザイン性を売ることではない。
贈り主が、贈る相手にどれだけ大事なメッセージを伝えられるか
そっと陰ながら、手伝うことが本来の役割。

人と人が、コミュニケーションをとること。
ある人は、感謝を伝える。
ある人は、愛情を交換する。
ある人は、相手の幸せを願う。
その時、最も大切なことは、
言葉を伝えることだ。
そして、その言葉を伝えるために、
贈り物というステキな方法がある。


「いつもありがとう」
「大切に想っています」
「元気で、笑顔でね」

それぞれの物語と想いが
贈り物には込められている。


2月の展示では、
それぞれの想いを、
贈り物という物語の形を作るお手伝いをする。

様々な言葉のカードを選んでもらい、
伝えたいメッセージをそれぞれのパッケージに
つけていく。

素材は、半紙。
和紙を薄く丈夫に仕立てたこの紙は、
ずっと以前から、日本では、
大切な行事や手紙を書くとき
使われてきた、いわば、言葉を伝えるための
なくてはならないツールだった。

その古からの素材を
袋に仕立て、
手で編まれた毛糸のコモノをそっと入れて、
それぞれの言葉のカードと共に、
包む。
それぞれの想いをのせて。


それから、
布製「brown bag」もデザイン。
こちらは、少し大きめの贈り物を包む。
brown bagとは、もともと、
アメリカでリンゴやサンドイッチなどを入れて持ち歩く
ランチボックスのようなもので、
分厚いざらっとした紙袋をくしゃっとさせて
子供たちが持ち歩いていたりする。
やわらかな帆布を使って、
ランチボックスにも、モノ入れにもなるbagに仕立てた。

展示は、
2012.02.03 - 02.14
鎌倉、アトリエキカにて。
お菓子作家たなかれいこさんのフランス菓子と
「manuoku+クロセミキコ~布と毛糸の贈り物」。

毛糸のコモノは、
アートディレクター・グラフィックデザイナーでもあるクロセミキコさんが
1点1点心をこめて作ってくれている。
毛糸を手に入れるために、スコットランドまで飛んで行ってしまうような
そんなステキな人だ。

今回私は、「布と毛糸の贈り物」の
パッケージのデザイン、アートディレクションを担当。

メンズのハンドメイドシャツも
セミオーダーという形で行う。

他、ハンプBagなど、
今、新たに進めている
企画ブランド「moani」のモノも
数点出展予定。

パッケージが、どれだけ人のお役に立てるか、
久々に、腹にきゅっと力を入れて
コンセプトとデザインを考えることに勤しむ日々。。。


最近の小さな旅


近頃、東京駅の構内でお弁当とお茶を買って、
少し遠くへ行く。
小さな旅の気分を味わうことが気に入っている。

ほうじ茶とおにぎりとか、
カツサンドと温かい緑茶とか、
シンプルであるほどよい。

仕事だったり、用事だったり、
それは移動することに過ぎないのだけど、
そういう旅の気分でいることで、
瞬間瞬間が楽しくなる。

お弁当を食べたあとは、
ひたすら読書だ。
旅のお供には、やっぱり、村上春樹。
電車の窓から入り込む冷たい風を感じながら、
「ノルウェイの森」を読むと、
心に染みるものがある。

2011年12月25日日曜日

気と心


日本人としてのスピリットについて、ずっと考えつづけた2011年。

淀みのない考え方、
シンプルで、無駄がなく、
礼と儀を重んじる、
すっとした心意気。

3.11の約1週間後、
福井にいる祖母の見舞いに行きがてら、
静かな雨の降る京都の庭を訪れた。

震災の影響もあり、その禅寺にいたのは、
ほぼ私1人だった。
そのとき、その場所に宿る、京都の先人達が、
何かとても大切なことを私に告げた。

それは、日本を守り育ててきた先人達が
様々なことを乗り越え、この土地を現代まで
創ってきた、ということだ。

大変なのは、今だけではない。
いつの時も、大変なことはたくさんある。
嘆いているのではなく、
できることをやる。
くっと、腹に力を入れて、
進んで行け、と。

そのときの空気感も全て、
鮮明な記憶として、私の中に残っている。
その庭の水は、とても透き通っていて、
淀みなど、存在しなかった。

日本人としての、気と心。
それは、決して生易しいものではないけれど、
私たちの奥深くにきっと根づいているはず。

京都から東京に戻り、
庭について、私は勉強し始めた。
それは、庭というものが、
日本人の考え方の原点が現れていることに
気付いたからだ。

もっともっと、気と心について、
深く知りたいと思う。










2011年12月4日日曜日

ひとのためを想う。


2月、鎌倉にて「贈り物」をテーマにした展示会を企画することに。

だれに何を贈るか、というのは
とてもパーソナルなものだけど、
共通しているのは、
相手を喜ばせたいという温かい気持ち。
「いつもありがとう」
「とっても大切に想っています」
それぞれの、ほんわかした気持ちを
どう伝えるのか。
そのお手伝いをさせてもらうことが
今回の展示会の役割。

アイデアあふれる大人かわいい小物たち。
その大切な贈り物を包むパッケージとカード。

こころで考えることが
企画の仕事。

もっと感じて考えなくては・・・・

展示は、鎌倉アトリエキカにて。
詳細は後日。



2011年12月1日木曜日

おばあちゃんの手仕事


友人sayoちゃんのおばあちゃんの手仕事プロジェクト`teto'。

やさしさと丁寧な心がぎゅっと詰まった
とても温かい空気が流れる展示会。

そのレセプションの席で、
いつもステキな佇まいの大人の女性が、
着物姿で現れた。
聞けば、その女性のおばあちゃんが
手紬であつらえた生地なのだとか。
大切に保管されていた生地を
家族それぞれが染め直し、
着物に仕立てたのだとか。

おばあちゃんと自分の間にある
宝物のような、時間と思い出。

tetoが生み出す、
温かいモノたちに触れていると、
そんな大切なことを、ふっと思い出したりする。

teto
「さあ、冬じたく」展 
at TORi 中目黒
http://www.teto-grandma.com