2011年9月10日土曜日

真鶴


母と二人旅。
真鶴へ。
旅はどこがよいかと本屋でぱらぱらと雑誌をめくっていたら、
おはやしと呼ばれる森が、400年近く、真鶴という土地で、
住民の手によって育てられている、と、
一枚の森の写真と共に紹介されていた。

直感的に、ここは訪れてみなければ、と思い、
電車でことこと揺られながら向かう。

真鶴の駅を降り、小さな割烹料理屋に入る。
偶然の出会い。
鎌倉でアンティークのお洋服店を営む
とても大好きな夫婦が、目の前の席に座っていた。
お互い、なんで、ここに・・・と、
しばらくぼうぜんとしたのだけれど、
お店も住居も、秋に真鶴に移すのだとか。
なんというタイミング。

掛け軸の絵のように
上品に盛り付けられた、地魚のお寿司をいただいた。
いままでいただいたお寿司の中で、一番だった。
なんというか、ただの魚ではないのだ。

「魚を育てる森」として、大切にされているおはやし。
大きな樹木が海に影をつくり、魚に安息を与え、
林で濾過されたミネラル分を多く含む水が海に流れることで
味の良い魚が生まれるのだという。

店を出て、バスに揺られながら、
おはやしの入口にたどりつく。
予想通り、とても優しい森で、
ふかふかの土の上を歩きながら、
風や光や、波の音に耳を澄ませる。
全身、森に包まれているような、
安心感と気持のよさ。

二人が移り住む、というのも、
すごく納得がいった。

東京に戻り、母と二人、生ビールをごくごく。
あの魚は、すごかったね~と、言い合いながら、
文字通り、酒の肴にしながら、堪能した。








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